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Medicine and Health

糖尿病

糖尿病の予防と対策

■けが等に注意
糖尿病の患者さんは傷が治りにくく化膿しやすいので、常に清潔を心がけ、小さなケガや火傷にも注意しましょう。
■3本柱

糖尿病の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法が3本柱となり、この3つがうまく並行して初めて十分な効果が得られます。

  1. 糖尿病は、「自己管理の病気」といわれるように、生活習慣を改善するなど自らの努力で良くなっていきます。
  2. 肥満、食べ過ぎにならないよう規則正しい生活を心がけましょう。
  3. 運動不足にならないよう医師の指示に従い、散歩やジョギング等、毎日規則正しく行えるような運動を心がけましょう。
■バランスよく食べる

適正カロリー(必要最小限の指示カロリー)でバランスよく食べましょう。

  • 献立は1日の総カロリーを均等割にしてから考えるようにしましょう。
  • 調味料はカロリーが高いものがありますので注意しましょう。
  • アルコール、その他の嗜好品の摂取は極力控えるよう努力しましょう。
  • 外食は、カロリー表示が書いてあるなどわかりやすく、かつバランスのよい メニューを選びましょう。
■食事療法のポイント

食事療法を長く続けるために、調理はむずかしく考えずに家族と同じ食事の中から工夫しましょう。

  • 低カロリー食品を上手に利用すると空腹感をやわらげることができます。
  • 油は非常に高カロリーです。油料理の数を抑えて、とりすぎを防ぎましょう。
  • 副菜は主食を食べ過ぎないよう薄味で、よくかんで食品の持ち味を楽しむように習慣づけましょう。 (よくかむことは、満腹感を得るためにも大変効果的な方法です)
  • 野菜は毎食食べましょう。生なら両手に1杯程度、火を通したものなら片手に1杯、 野菜に含まれる食物繊維は、食後に血糖値が急激に上がるのを抑えてくれます。
  • ご飯だけが血糖を上げるわけではありません。主食を減らしすぎると、 おかずを食べ過ぎたり、間食が増えるので注意して下さい。
  • 調理の際には、はかりを使って食品を正しく量る習慣をつけましょう。
■血糖のコントロール

高血糖状態を放っておくと、目や腎臓の障害、心梗塞や脳梗塞を起こしやすくなりますので、 きちんと血糖をコントロールしましょう。
低血糖になったと感じたら、すぐに砂糖、あめ玉、ジュースなどの糖分をとって下さい。(砂糖ですと10~30gが目安) そのために普段から3~4個の袋入り砂糖を持ち歩き、いつでもどこでもとれるよう準備しておいて下さい。)

高所作業や自動車の運転などの危険を伴う作業に従事している時に低血糖を起こすと事故につながりますので、特に注意して下さい。

  • グルコバイ、ベイスンを服用している場合は、低血糖の時砂糖を食べても効きませんので、 必ずブドウ糖を10~15g摂って下さい。 (携帯用ブドウ糖は、薬局や病院でもらえます)
  • 十分注意していても、時には意識を失うような強い低血糖が起こらないとも限りませんから、 自分は現在糖尿病で薬を飲んでいることを書いたカードを身につけておき、 すぐに治療してもらえるようにしておくことが安全です。
  • 血糖コントロールが思わしくないときや、重篤な合併症・感染症を起こしているとき等は 運動を控えた方がよいでしょう。
■外食
外食は、カロリー表示が書いてあるなどわかりやすく、かつバランスのよい メニューを選びましょう。
食事療法を長く続けるために、調理はむずかしく考えずに家族と同じ食事の中から工夫しましょう。
■さらに細かい食事療法が必要な方へ

1日に必要なエネルギーの計算方法   標準体重(身長㎡×22)×25~30kcal

  • 「今日は外食」とばかりに、他の食事を減らして、まとめ食いをしないよう 注意して下さい。まとめ食いは、1度にたくさんのインスリンが必要になり、 膵臓に負担をかけます。
  • 牛乳・果物は決められた量を守りましょう。一見軽そうでも、カロリーは決して低くありません。食事と一緒にとるより、 間食としてとった方が血糖値が上がりにくくなります。
■インスリン自己注射

インスリンの自己注射法の原則は皮下注射です。筋肉注射は、インスリンの吸収が必要以上に促進され、 低血糖を起こすことがあるため避けて下さい。

  • 注射をする際は、皮下脂肪の厚いところ、または皮膚をつまんで注射する必要があります。
  • インスリンの皮下注射には、腹部や上腕部、大腿部の外側の部分などが適しています。 大腿部の内側は毛細血管の数が多く、筋肉注射に近い作用発現をみることがあるため避けるべきです。
  • インスリンの皮下注射は、同じ部位に繰り返し注射をすると、皮下脂肪が肥大・委縮・硬化することが報告されているため、 注射部位は毎回2~3cmずつ移動させるようにして下さい。
  • インスリンの皮下注射した部位をもむと、インスリンの吸収が早まる恐れがあるため、もまないようにして下さい。
  • インスリン製剤は冷蔵庫で保管しますが、製剤が冷たいままで注射すると温度が低いほど痛みが強くなり、 またインスリンの吸収も低下してしまうため、 冷蔵庫から取り出した製剤をすぐ使用することは避けて下さい。
  • 使用したペン型インスリン製剤は結露して故障する可能性があるため、 カートリッジ製剤を充填している場合でも、 冷蔵庫で保管しないで下さい。 充填されたカートリッジは完全に遮光されているので、直射日光に当てるなどしない 限りは室温で保管しても差し支えありません。

入浴により血液の循環が活発になると、インスリンが非常に速やかに吸収されて 低血糖を起こす可能性が高まるため、入浴直前・直後の注射は避けて下さい。 また同じ理由から、注射直後に運動もしないで下さい。